キャンプ場では、低体温症や雪の影響による事故が起こり得ます。
トムラウシ山では、突然の気温低下で低体温症により多くの命が失われました。
さらに、雪の重みでテントが崩壊したり、雪崩が発生する危険も冬キャンプでは特に注意が必要です。事前の天候チェックと十分な装備で、キャンプのリスクを減らしましょう!
夏キャンプでもなりえる低体温症
事例:夏山でおきた死亡事故
知識がないと死亡に繋がるのが、低体温症。
ツアーガイド含め、大人8名が夏の山で亡くなったのが「トムラウシ山遭難事故」です。
参加者全員が、低体温症に対する知識がなかったと言われています。
「低体温症」の原因
- 体温が奪われる…低い体温、強い風、濡れたままの服・靴下を着用
- 体の熱が作られない…満足な食事ができず、エネルギー生産できない
気温が急激に下がる冬、十分な防寒対策をしないと体温が低下して低体温症になりえます。
特に、夜間の寒さは厳しく、眠っている間に体温が下がりすぎてしまうケースがあります。
震えが始まったら、低体温症になったと考えるべできです。
しっかり対策をしましょう!
参考サイト:政府広報オンライン
濡れを防ぐレインウェア・防寒着用のアウター
トムラウシ山遭難事故でも、服・靴下の濡れ・冷えが原因の一つと言われています。
濡れた服を着替えられるよう、予備の服を用意しましょう。
体温低下を防ぐために、複数のレイヤーを着ることも大切です
インナーは日中の体温調節に大活躍ですが、圧迫感があり長時間には向きません。
アウトドア用のレインウェアは、軽く蒸しにくいのでオススメですよ。
防寒対策のキャンプ用品
冬キャンプに欠かせないのは、防寒対策のできるキャンプギアです。
湯たんぽとしては、シングルウォールの水筒がつかえます。
豆炭アンカや、液体燃料を燃やすハクキンカイロも体を温めてくれます。
寒冷な地面から伝わる底冷えを防げる、寝床用の「コット」も快適です。
厚手の寝袋や断熱シートは、熱抵抗値(R値)が高いので寒さを和らげてくれます。
冬用には、-5~ー11℃でも使える「ナンガ」のシュラフが優秀ですね。
キャンプ場の最低気温を確認
同じ都道府県でも気温は変わってきます。
標高は1000m上がるごとに、約6℃だけ気温が下がると言われいます。
またい内陸なのか、風が吹きやすいかなどで熱の奪われ方も変わります。
キャンプに行くときは、あらかじめキャンプ場付近の最低気温を調べていきましょう。
その日の天気予報で、雨に濡れる心配がないかの確認も必要ですね。
しっかり食事をとる(キャンプご飯)
キャップでは料理がメンドくさいから、あまり食べない方がいます。
しかし冬はエネルギー生産のために、炭水化物を中心にしっかり取りましょう。
乾燥した冬は水分を失いやすいので、鍋やスープも良いですね。
雪の重さによるテントの倒壊
事例:雪中キャンプでポールがゆがむ
深夜にいきなりテントが倒壊したようです。
どうやら大雪がテントに積り、重みでポールが歪んでいます。
寝静まった夜に、いきなりテントが覆いかぶさったらパニックになりますよね。
定期的に雪下ろしをする
雪の重みで家屋も潰します。
水分をあまり含まない新雪でも、1立方メートル(m3)で150kgになります。
ヒト2人分と思うと恐ろしい!
積極的にテントに乗った雪は落としましょう!
天井に手が届かない時は、ホウキなど柄の長い棒を使いましょう。
寝る前には必ず雪下ろしをしたいですね。
重さに耐える、頑丈なのはティピーテント
動画投稿者さんのテントは、ドーム型テントです。
ドーム型の天井は傾斜が緩く、雪が積もる面積が大きいです。
また、ポールは横方向に対して弱いという欠点があります。
以上より、ドーム型のテントは雪の重さに弱いといえるでしょう。
一方、支柱が一本のみのティピー型テントは、傾斜が急で雪が積もりにくいです。
また強度として得意な縦方向に、ポールを使えています。
支柱が細すぎなければティピーテントは、雪に十分強いと言えます。
ポリエステルは水分で重くなりにくい、コットン素材は結露に強い
ポリエステル素材は、あまり水分を吸いません。
そのため雪水でテント自体の重さが増えにくいです。
しかしその分、ポリエステルは結露しやすく天井から水が垂れてくることも!
コットン素材は、吸水しやすく結露しにくいです。
そのためデメリットとしても雪水を吸い、テント自体が重くなります。
一長一短ですね。
僕のオススメは、コットン素材に防水スプレーをかけて吸水を防ぐことです。
これにより結露のしにくさはそのままで、ある程度テントが重くなることもありません。
大雪の備え、降雪量で避難も
就寝前に雪下ろしをしても、朝まで耐えられないこともあります。
タープは、雪の重さでバランスを崩しやすいです。
大雪が見込まれる時は、夜のうちに片づけておきましょう。
鎮火しきっていない焚き火は、テントが崩壊すると火事の原因となります。
一酸化炭素を防ぐためにも、絶対に放置しないでください!
鎮火しきらなくても、火消しツボには入れたいものですね。
降雪量によっては、キャンプの続行が不可能になることもあります。
テントの崩壊だけでなく、テント入口が雪でふさがれ埋まることも…。
天気予報によっては最悪のことを想定し、撤退する英断を!
雪崩事故
雪の多いエリアでのキャンプ中に雪崩が発生し、巻き込まれるケースがあります。
積雪の多い山岳地帯では、雪崩リスクの高い場所を避けることが重要です。
現に長野県のキャンプ場では、雪崩危険個所に該当する所があります(※)。
特に1月、2月は雪が緩み、特に危険な季節となります。
急な天候の変化や積雪に備えて事前に天気予報を確認し、中止も考えましょう!
まとめ
夏のアウトドア活動でも、低体温症の危険は避けられません。気温の急変や濡れ、風などが原因となり、命の危険に繋がることがあります。しっかりとした防寒と体温管理を行い、低体温症を未然に防ぐことが大切です。