Garmin自動検知や年齢の「最大心拍数」は、ブレやすく扱いにくいです。
ズレたままだと、トレーニング効果や回復時間が狂ってしまうことに。
今回は乳酸閾値(LTHR)を軸に、正しい向き合い方をお伝えします。
リカバリータイム50時間の謎、原因は最大心拍の誤検知だった

普段は長くても20時間程度なので、明らかに異常な数値です。
思い当たるのは「最大心拍」が自動検知で更新されたこと。
チェストベルトでもスマートウォッチでも起こりうる誤作動

「チェストベルト」は汗や乾燥で接触が甘くなると、ノイズを拾いやすいです。
また冬場の走り始めは特に、電極が肌になじまず誤作動しがちです。
一方で「スマートウォッチ」の光学センサーにも弱点があります。
ペダリングの振動を、心拍と誤認してしまうことがあるのです。
いわゆる「ケイデンスロック」と呼ばれる現象です。
誤検知がトレーニング効果の判定を狂わせる仕組み

最大心拍が実際より低く記録されると、判定基準もズレます。
本来はゾーン3程度の強度が、ゾーン5と誤判定されるのです。
年齢を参考にする最大心拍は個人差が大きいんですよね。
リカバリータイムは、最大心拍数が影響されます。
心拍から運動後の負荷(EPOC)を推定する仕組みが働いています。
これでは回復時間だけでなく、「トレーニング効果」が評価できなくなります。
なんのために心拍センサーをつけているか分からなくなりそうですね。
心拍が大きくズレると、トレーニングが無意味になる可能性があることがお判り頂けましたか?
シミュレーションで見る「乳酸閾値」の有用性

- 最大心拍数
- 予備心拍数(HRR)
- 乳酸閾値(LTHR)
仮に「最大心拍195、安静時心拍50、LTHR168」としてズレを確認してみましょう。
| ゾーン | ①最大心拍数基準 | ②予備心拍数(HRR)基準 | ③乳酸閾値(LTHR)基準 |
|---|---|---|---|
| Z4(閾値) | 156〜176 bpm | 166〜181 bpm | 168 bpm未満※ |
| Z5(VO2max) | 176〜195 bpm | 181〜195 bpm | 168 bpm〜(LTHRが境界) |
※Z4以下の細かい下限値は機種や設定により異なります。
LTHRを境にZ4とZ5が分かれる点は共通です。
ご覧の通り、ゾーン5になるタイミングがかなり変わってきます。
正しく評価するには、心拍ゾーンの基準を「乳酸閾値(LTHR)」で登録が推奨です。
なぜなら、LTHRそのものが一番重要な「ゾーン4, 5の境界」となるからです。
①や②の基準では、閾値を超えていても「まだ余裕あり」と判定されがちです。
そのぶん、高強度トレーニングの成果が正しく評価されません。
僕の場合は最大心拍が低くなり逆にゾーン5が広く取られて「オーバーワークの判定」となりました。
今回の設定例では、168bpmを境に判定が分かれます。
「このトレーニングが効いているの?」という不安が一気に払拭されますね。
その乳酸閾値、Garminは正確に測れているのか
ここまでの話なら、LTHRさえ自動検知できれば解決に思えます。
そもそもガーミンのサイコンで乳酸閾値の利用についての注意点を説明します。
Edge530だけではない、機種を跨いだ自動検出の不安定さ

サイコンのEdge530では、自動検出が一向に働かないという報告がありました
現行機種のEdge540や840、1040でも例外ではありません
機種を問わず、自動検出がうまくいかないケースがあるようですね。
後ほど、より「正確にLTHRを知る方法」をお伝えします。
ランで測ったLTHRは自転車に転用できない

しかしランのLTHRは、ロードバイクに転用ができないという研究がでています。
371名を対象にした研究で、両者の心拍数に相関はないと分かりました
同じ人でも、ランでは175bpm、自転車では160bpmということもあります。
ランニングは全身の筋肉を使い、自転車は太もも中心の局所的な運動だからです。
ラン用ウォッチのLTHRを、そのまま自転車に持ち込むのは避けましょう。



正確なLTHRは、チェストベルトとパワーメーターで自分の手で作る
ここまで見てきたように、Garmin任せでは正確なトレーニングにならない可能性が。
パワトレはFTP基準で良いでしょうが、実践のライドでは心拍が重要な指標となります。
ここでは自分の手で測る方法を説明していきます。
心拍センサーはチェストベルト一択

まず閾値付近のテストでは、「精度が生命線」になります。
普段おすすめしているスマートウォッチでは、ブレが大きくなりやすい傾向です。
ここでは心電図に近い方式で心拍を取得する「チェストベルト」をおすすめします。
ポチップ
20分FTPテストをLTHR測定にも活用する

やや精度は落ちますが、「20分FTPテスト」をそのまま活用する方法があります。
テスト中は、パワーだけでなくもちろん心拍も記録しておきます。
様々な測定がありますが、ここで紹介する著名な海外コーチも採用する方法
乳酸閾値(LTHR)の目安は、後半15分間の平均心拍です。
最初の5分は、心拍が追いつく助走区間として除外します(ラップ押下が推奨)。
これならFTP更新のたびに、LTHRも更新できますね。
一度で終わらせず、テストのたびに数値を更新していきましょう!
まとめ
Garminの自動検出は、機種を問わず万能ではなさそうです。
乳酸閾値はゾーン4,5を区切る境目で、トレーニング効果に使えます。
しかしランで測ったLTHRも、自転車にはそのまま使えません。
「20分FTPテスト」のついでに、自分のLTHRを予測できればお得ですね。
ここではチェストベルトとパワーメーターが力を発揮します。
機材とデータが揃えば、Garminの評価はもっと信頼できるものになりますよ。












